印刷の歴史を伝える
「印刷文化の継承と甲府の街に賑わいを」そんな想いを持つ歴史ある印刷屋さんの相談からプロジェクトが始まった。デジタル社会となった今日、紙媒体への需要が失われつつあり、旧き良き印刷技術の継承を憂えていたお施主様の強い想いに共感し、文字通り二人三脚で計画がスタートしていった。主役は、ドイツから輸入したグーテンベルグ社の活版印刷機と岐阜からやって来た膨大な活字の数々、そして使い込まれた味わい深い2台のテキン。これらの主役を中心に、店舗のデザインを検討していき、古材を中心に、杉板や漆喰など日本の素材と、海外製のアンティーク照明やインテリア類等を組み合わせたデザインとなっていった。床板は廃校になった古い教室の床板を山梨大学の学生さん達とDIYで再生し、再利用した。店舗の壁もDIYを行い、あえてラフに仕上げてあり、全体の雰囲気に馴染んでいる。天井からは、ヨーロッパの工場で使われていた古い工業照明が釣り下がり、主役を良い雰囲気に照らしている。