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2026.05.17
東京国立博物館に行ってきました
GWに東京にいる三男のところに寄り、上野周辺をぶらぶらしてきました。
公園内の国立西洋美術館 に行くか、東京国立博物館 に行くか迷いましたが、
30代の頃に訪れて強く印象に残っていた法隆寺宝物館をもう一度見たくなり、
東京国立博物館へ向かいました。


ここでは、故 谷口吉生 さん(上)と、
お父様である 谷口吉郎 さんが設計した建築(下)を見ることができます。
谷口さんの建築は、30年経った今でもまったく古さを感じません。
むしろ、年々その良さが深く理解できるようになる建築だと感じます。



法隆寺宝物館は、
「静けさを建築化した空間」だと言われています。
谷口吉生さんは建築を強く主張するのではなく、
光・水・音・素材を極限まで整理し、
人の感覚そのものを整えることに力を注いでいます。
特に入口前の水盤は、上野の喧騒から気持ちを切り替える“結界”のような存在で、
館内へ入る前に自然と心が静まります。
これは長野の東山魁夷美術館や豊田市美術館を訪れた時も
同じ感覚に包まれました。
私にとってこの感覚は映画をみて感動する感覚と同じです。
内部では、柔らかな光の中に仏像が静かに浮かび上がり、
単なる展示空間ではなく、祈りに近い空気が生まれています。
また、ディテールのノイズを徹底的に消し、
「建築を見せる」のではなく、「体験だけを残す」という姿勢も印象的です。


和風意匠を直接使わずに、
日本建築の本質である“間”や“静寂”を現代的に抽象化している点に、
この建築の深さがあるのだと思います。
法隆寺そのものを模倣せず、
和風意匠もほとんどなく、
なのに日本的精神性を感じます。
形ではなく
感覚を継承している谷口さんを尊敬してしまうところは
ここだと改めて思いました
By t.ohara