STAFF BLOG
夏がいつの間にか過ぎて、秋というより冬に突入しそう、と思ったらまた暑くなったり、異常気象なこの頃です(_ _)
昼もバタバタ、夜は無尽や懇親会、商工会に行ったり、来年度の青年会議所の活動で、最近数週間、深夜までWEB会議と忙しく、あまり時間が取れないのですが、個人的趣味の範疇で、最近読んだ面白い本をご紹介します!!(^^
〇岡田英弘著作集 岡田英弘著
学生の時に出会った岡田英弘先生。
モンゴル・満州等の東アジアの歴史の専門家で、古代満州語や清朝時代の言語もできたらしく、
日本の研究者が分からない資料も読み込んで、モンゴル史から世界史の枠組みを創るその視点が本当に目から鱗で、教科書より、こっちの歴史の方が正しいじゃん!(゜゜)
今まで学校で教わったことは何だっただんろう(笑)と思い、先生の出版されてる本を片っ端から読んで、ただただ狼狽しました、、、
それまで教わっていた世の中の見方が一変しました。
「日本の建国は7世紀以降。中国大陸の政治情勢の危機感から、大化の改新で挙国一致体制に移行した」とか
「世界の歴史を叙述したものは2つだけ。1つは地中海文明を叙述したヘロドトスの歴史であり、2つ目は、中国の歴史を叙述した司馬遷の史記。この2つがその後の世界の枠組みを決めてしまった」とか
「日本史学者は対馬外のことを知らず、朝鮮史学者は鴨緑江以外のことは知らない。東洋史学者は中国に気を取られて、朝鮮半島や日本列島の出来事まで東洋史に組み込むには手が回らない」とか
1950年国共内戦以降、中国大陸の情報が入ってこない文革期の時代も含めて、
人民日報の行間や党大会の動きから、裏の裏の情報を読み解いて、政変や共産党の動きを推測してほぼ当ててたとか。
邪馬台国の位置を日本と中国の文献と、当時の政治情勢を頭に入れながら、邪馬台国論争など無意味で、魏志倭人伝を書いた陳寿の恩師の、支援者の、政敵に対抗した、ただのプロパガンダ」と指摘するところなど。。。
天才的なエピソードが満載で、あまりにも正しいことを言いすぎて疎まれ、学会では反主流派だったようですが、
学会以外で有名になり、数年前に著作集が発表されて、私も購入させて頂きました。
亡くなって数年たちましたが、岡田先生の著作を手に取ると、今でも多くの発見があり、
事象や物事は、多方面から慎重に見る必要があり、一面だけをみて意見を言ってはいけないと学んだ著作でもありました。
日本や世界の歴史について、モヤモヤしている人にはお勧めです。
〇世界一わかりやすい日本憲政史 倉山満著
最近「坂の上の雲」が再放送されていますね~
先週の回で、竹中直人演じる小村寿太郎が、「イギリスが日本を利用するなら、俺らもイギリスを利用してやろう!」とのセリフに感動した私です。
幕末、世界中が欧米の植民地となり、北にロシア、西にイギリス、フランス、ドイツ、東からアメリカ、南からスペイン、オランダと日本に迫ってきた状況から、
決死の覚悟で、倒幕、開国を成し遂げて、欧米に追い付け追い越せで日本の近代化を成し遂げた人たちの覚悟を感じるセリフです。。。。
と同時に、今の日本はどうなんだろう。。。とため息がでてしまいました。
幕末以来の安全保障は、朝鮮半島がポイントでした。
国際政治学上の言葉で、朝鮮半島をシアターとして、大国ロシアと清、チャレンジャーの日本が勢力争いをしていました。
日本からすると、朝鮮半島にロシアと清が居座ったら、日本が危ない!というのが明治人の安全保障観でした。
実際、古事記・日本書紀にも朝鮮半島で反乱がおきると、北九州が呼応したり、神功皇后の三韓征伐の故事、
最近では、朝鮮戦争の際に北九州一帯に防空警報が発令されているほど、日本と朝鮮半島の関係は密接なものでした。
日本は、明治以来、朝鮮半島をめぐって揉め事が絶えず、実質的に清の衛星国であった朝鮮王宮を巻き込んで、
壬午軍乱、甲申事変、東学党の乱、日清戦争、三国干渉、乙末事変、北清事変、そして日露戦争を戦って、朝鮮半島を確保しました。
その辺の流れは、陳舜臣の「江は流れず」を読むと、当時の人の空気感が分かります。
倉山先生も学生の時にお会いして、以来ずっとフォローしており、この本では誰も書かない日本憲政史の闇を書いています笑
坂の上の雲で日清・日露の国運を掛けた大戦争をしている状況の中、実は国内では内閣不信任決議案がでていたそうです笑
衆議院の過半数を自由民権運動の人たちが確保しているため、予算権を武器にして、自由民権の一部が、元老政治に反対していたようです。
伊藤博文は、日清戦争開戦と衆議院解散を同日決定したそうですが、清国は内戦寸前と勘違いしたそうです笑
学校では自由民権は、すごい人だったんだと習いますが、印象が変わりました。
当時、衆議院の多数派が内閣を組織するという慣例がなかったので、元老が話し合いで総理大臣を決めていました。
学校では、民主主義が無かったと教わりますが、逆にこの時代、幕末維新を潜り抜けた元老達が慎重な政治を行っていなかったら、自由民権の人たちでは、日本が滅びていたかもしれないと思います。。。笑
それにしても、帝国憲法はとても開明的だったようです。
なんでこんなことやってて勝てたの?と笑ってはいけないんだけれども笑ってしまいます。。。
〇我が家の設計 ヴォーリス著
昨年、近江八幡に行った際に、ヴォーリスの記念館で購入しました。
日本洋館建築の父です。私もいつか洋館に住みたいと思い、読みかけですが、とても面白いです。
当時の時代感が伝わってきますね!
実は、ヴォーリスの建物が会社のすぐ近くにもあることが判明し、今度修繕事業を行うそうです。
まだまだ読みたい本が沢山あり、机に積まれている今日この頃です(*_*)
By K.Ohara