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2025.05.31
最近読んだ本

ブログですが、最近ネタが無くなりつつあるので、最近読んだ面白かった本について書いてみます。

 

➀陸将、海将と振り返る昭和の大戦-クリティカルシンキング

https://www.wani.co.jp/event.php?id=8537

 

「チャンネルくらら」という、学生時代から毎日のように見ている政治経済・歴史・地政学・時事ネタなどを発信しているYOUTUBE番組があります。

 

この本は、その中の一コーナーで、元陸上自衛隊と海上自衛隊のトップの方が、大東亜戦争の主な事例を取り上げ、

軍事のプロにはどのように見えているのか、また現代に活かせる教訓や、

会社や組織の組織論などについて語っているものを、書籍化した対談本です。

 

「チャンネルくらら」内の対談が、今まで知っていたものや通説と全く違い、目からウロコだったのですぐ買ってみました。

 

 

 

 

例えば、天下分け目の戦いとなったミッドウェー海戦について、元海上自衛隊の方は、通説の通りあくまでも海戦として、

空母同士の艦隊航空決戦との認識、位置づけですが、元陸上自衛隊の方が、当時の作戦計画書を読むと、

作戦目的は➀ミッドウェー島を攻略し、➁攻略した後、アメリカ艦隊を誘い出し撃滅する、という意味で

本当は、「ミッドウェー島攻略作戦」というように見えるという解釈をされていました。

 

『失敗の本質』という、社会科学的な手法を用いた、旧日本軍の失敗から現代への教訓を分析した、組織・経営・人間の意思決定などについて述べた名著があるのですが、

過去様々な証言や著書において、ミッドウェー海戦は「運命の5分間」が契機となって敗北につながったとされています。

 

 

 

 

すなわち、主力の第一機動部隊である南雲司令官が、ミッドウェー島の攻略を目的に攻撃している最中、米空母を発見し、急遽対空母用の爆撃に兵装転換している最中、

突如として米爆撃機の攻撃を受け、甲板上にあった魚雷に引火し、大爆発、炎上し敗北につながったというものです。

 

『失敗の本質』では、作戦目的の二重性、命令の曖昧さ、索敵等の情報の軽視、責任者が不明確、組織的決定が成されない主観による個人の現場判断、などの問題が指摘されています。

 

したがって、これまで南雲司令官が「悪い」というようなイメージが付きまとっていましたが、この本では解釈が全く違います。

 

事実、作戦計画書の名称が、「ミッドウェー島攻略作戦」なので、命令に忠実に南雲司令官は、ミッドウェー島を攻略していました。

この作戦では、6人の中将がそれぞれ部隊を率いており、南雲司令官は6分の1の中将に過ぎません。

 

本来であれば、別の中将の1人である、攻略部隊を率いていた部隊が、島を攻略し、

機動部隊である南雲中将は後方で待機して、敵空母に備えるというのが作戦計画の意味合いでしたが、

命令に忠実でやる気のある南雲中将(真珠湾作戦の時の司令官でもありました)が、

島の攻略部隊として参加してしまい、本来の目的から逸していました。

 

この場合、6人の中将の上司である、最高司令官の山本五十六が、部下である6部隊の調整をして、

適切な目標を定めてマネジメントする必要があるのに、後方で待機して何もしなかったという点を指摘しています。

 

つまり、組織的なマネジメントがされておらず、実質現場の個人的判断に意思決定を任せてしまっていたという状況になっていました。

 

 

このような状況は、日本型の組織でよく見受けられるかもしれないというのは、失敗の本質でも指摘されているところです。

この事例をみて個人的にハッとするところも多かったです。

 

対談の中で、「平時の安楽は、非常時の地獄」というようなことを、陸上自衛隊の元トップの方が言っていたのですが、

平時の訓練や習慣が、非常時に明確に出てきてしまうことを強調されていました。

これは、私達の社会や、所属する組織も同様のように感じます。

 

このような、過去の歴史から学ぶというような組織論や、意思決定論、行動経済学、マーケティングの本などが、

個人的に好きで過去いろいろ読んできましたが、久々に目からウロコの内容でした。

 

↑対談者のこの本も面白かったです。

 

↑元海上自衛隊のトップの方の著書。これも示唆に富んでいます。

 

歴史に詳しくない人でも、楽しめるのでおススメです。

その他、対談者の方々は、ウクライナ情勢や、トランプ暗殺未遂、台湾有事、政治と軍事、宗教など様々なテーマでもチャンネル配信しているので、興味のある方は覗いてみてください(^-^

 

By.K.Ohara


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